

株式会社シンプレクス・テクノロジー

株券貸借業務のリアルタイムな可視化でビジネススピードを加速
日本発のファイナンシャルイノベーションを世界向けてに発信することを目的に、外資系金融機関で金融ハイテク分野の最先端をリードしてきたメンバーが中心となり、1997年9月に設立された株式会社シンプレクス・テクノロジー。金融フロントシステム構築のスペシャリスト集団として揺るぎないポジションを確立した同社は、2002年2月にJASDAQに上場、さらに会社設立からわずか7年11カ月の2005年9月には東証一部に上場しています。
シンプレクス・テクノロジーでは、金融機関向けシステムをコンサルティングから開発、運用・保守まで一貫してオーダーメイドで受託開発するシステム・インテグレーション(SI)事業と、同社が開発した金融機関向けシステムをベースにSaaSモデルでサービスとして提供するユニバーサル・マーケット・サービス(UMS)事業の2つを柱としたビジネスを展開しています。
豊富な金融ノウハウを持ち、高度なIT技術を駆使することで、金融機関のフロントシステム構築を中心とした事業を展開するシンプレクス・テクノロジーでは、クライアントである証券会社向けの株券貸借取引システムを構築。株券貸借取引の可視化とビジネスのスピードアップを目的としたそのシステムのエンタープライズメッセージングシステムとして「SonicMQ」を採用しました。
取引をリアルタイムに把握できる仕組みの実現
業界標準技術の採用が最大の鍵に
シンプレクス・テクノロジーが構築した株券貸借取引システム最大の特長は、ディーラーがリアルタイムに取引情報を共有するための仕組みが搭載されていることです。しかし、その仕組みの実現にあたり、いくつかの課題もありました。金融フロンティアグループ バイスプレジデントである井形雅弘氏は、次のように語ります。
「どの金融機関とどれくらいの取引があるのか、それを合計した全社的なポジションはどうなっているのかを把握したい、その一方で新たに約定をつけたり注文したりした結果をリアルタイムに反映させたい、というのがディーラーの要望でした。しかし、こういった仕組みを実現できるミドルウェアは、実はあまり多く存在していないのです」
これまで同社では、UDP(User Datagram Protocol)をベースとしたメッセージングミドルウェアを独自に開発しており、今回もこのミドルウェアを使用することを検討します。しかし、株券貸借取引システムでUDPベースのミドルウェアを利用するには、管理面、運用面などで限界がありました。
同社が独自に開発したUDPベースのミドルウェアは、これまでのシステム開発では有効に機能していましたが、今回のシステム開発は、構成はシンプルなもののデータ量が圧倒的に多いため機能的に不十分だったのです。そこでいくつかのメッセージングミドルウェアを検討した結果、システム開発に使用しているJava言語標準のAPIであるJMS(Java Message Service)を採用することを決定しました。
メッセージング用のミドルウェアとしてJMSを採用した理由を井形氏は、次のように語ります。「約定入力は1対1のメッセージのやり取りですが、株券貸借取引では1対多の同報通信が実現できることも必要です。実は、この1対多のメッセージのやり取りは、ネットワークはあまり得意ではないのです。これが柔軟に実現できるのがJMSを採用した理由でした」
同氏はまた、「JMSのメリットは、UDPのように速度は速いが通信保証がない状態でデータをやり取りするのではなく、データが完全に保証された状況で1対多のメッセージングが実装できることです」と話します。このJMSをサポートしたエンタープライズクラスのメッセージングシステムとして採用されたのがSonicMQでした。
株券貸借取引システムの通信基盤にSonicMQを採用
JMSのサポートや安定性、耐障害性を高く評価

SonicMQが導入された株券貸借取引システムは、同社が開発した債券系の約定管理システムをベースに開発されています。クライアントから入力があると、キューによる1対1通信でサーバ側にメッセージがわたり、サーバ側で処理を行った後にトピックによる同報通信で全てのクライアントにメッセージがわたる仕組みが構築されています。
株券貸借取引とは、証券会社が保有している株券を貸し出し、そこから貸借料を得ることで収益を生み出す取引です。今回システムを導入した証券会社では、個々のディーラーがMicrosoft Excelをベースに株券貸借取引を管理していたためにデータの共有化および一元管理がなされていませんでした。
証券業界は、最先端のテクノロジーを使用してビジネスを展開しているイメージがありますが、実はExcelなどのツールを使って行っている業務も多く存在しています。しかし、迅速かつ正確な株券貸借取引は、データ量が非常に多いため、Excelで処理することは困難でした。
金融フロンティアグループ システム・エンジニア、島浩文氏は、次のように語ります。「今回、SonicMQを採用したのはJMSをサポートしていることはもちろん、大量のデータを安定した環境で同報通信できるJavaベースの通信基盤であるということが最大の理由でした。また、耐障害性が高いことも理由のひとつでした」
SonicMQに搭載されたクラスタリング機能により、負荷分散やフェールオーバーなどの耐障害性機能を容易に実装することが可能。サーバ1台のシンプルな構成から、複数台のサーバによる分散環境まで、インフラ基盤構成の要件に応じた柔軟なシステム構成を実現できます。
井形氏は、「コンテナとブローカーによるアーキテクチャが確立されていることもSonicMQを採用した理由でした。最初の敷居は少し高いのですが、それさえクリアすれば後は開発・運用が非常に楽です。チューニング用のパラメータもアーキテクチャに基づいていて分かりやすいことも気に入っています」と話しています。
SonicMQ採用で開発から運用までを大幅に効率化
導入先である証券会社のビジネスチャンスを拡大
シンプレクス・テクノロジーが開発した株券貸借取引システムは、2006年6月ごろから検討を開始し、2006年11月には本番稼働を実現できました。約半年という短期間で株券貸借取引システムを構築できたのは、通信基盤としてSonicMQを導入し、その上にこれまでSI事業で得たノウハウを体系化した「シンプレクス・ライブラリ」を活用した開発手法を採用したことに基づいています。
井形氏は、「システムの開発にあたり、JMSによるメッセージングをいかに最適化するか、またSonicMQのメッセージをやり取りするブローカーのパラメータをいかに設定するかなどの問題もありました。しかしソニックソフトウェアの製品サポートなどの協力もあり、短期間で解決できました」と話しています。
またSonicMQで提供される管理用のAPIなどを活用することで、メンテナンスの自動化などを実現できることも効果のひとつでした。島氏は、「システムを運用していく上で、キューの追加や削除などの運用が非常に簡単です。またキューの可視化などGUIによる管理ツールが充実しているため、誰でも状況を把握できます。」と話しています。
一方、株券貸借取引システムを導入した証券会社の評価について井形氏は、次のように語ります。「今回、システムを導入した証券会社は、この仕組みがなければ、株券貸借取引をスタートできませんでした。必要な機能がすべて搭載されていることはもちろん、新しいビジネスチャンスが広がったことに非常に満足していただいています」

金融フロンティアグループ システム・エンジニア、島浩文氏
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導入製品
SonicMQ® : 堅牢で信頼性に富む標準ベースのエンタープライズメッセージングシステム
プロフィール
| 企業名 | 株式会社シンプレクス・テクノロジー |
|---|---|
| 設立 | 1997年9月 |
| 本社 | 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目ビルディング15階 |
| 代表 | 代表取締役社長 金子英樹 |
| 資本金 | 3億6800万円(2008年3月末時点) |
| 従業員数 | 196人(2008年3月末時点) |
| 事業 | 金融機関の収益業務に関わるシステム開発 |
| URL | http://www.simplex-tech.co.jp/ |
ハイライト
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